慢性的な肩こり・頭痛の原因?「ストレートネック(スマホ首)」のセルフチェックと改善ストレッチ

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慢性的な肩こり・頭痛の原因?「ストレートネック(スマホ首)」のセルフチェックと改善ストレッチ

現代病「ストレートネック(スマホ首)」とは何か?

本来の首のカーブが失われるメカニズムと頭の重さ

人間の背骨(脊柱)は、横から見たときに緩やかなS字カーブを描いているのが正常な状態です。その中でも首の部分にあたる7つの骨(頸椎:けいつい)は、本来であれば前方に向かって30〜40度ほどの緩やかなカーブ(前弯)を描いています。このカーブは、重い頭を支えるためのサスペンション(バネ)のような役割を果たし、歩行時の衝撃や頭の重さを分散させるための極めて重要な構造です。しかし、うつむき姿勢でスマートフォンやパソコンを長時間操作する習慣が定着した現代では、この頸椎の緩やかなカーブが失われ、まっすぐな直線状になってしまう人が急増しています。これが「ストレートネック」であり、別名「スマホ首」とも呼ばれる状態です。

人間の頭の重さは、体重の約10%(体重50kgの人であれば約5kg)もあると言われています。これはボーリングの球とほぼ同じ重さです。正しい姿勢で前を向いている時、首や肩の筋肉にかかる負担はこの5kg程度で済みますが、頭を前に傾ける角度が深くなるにつれて、頸椎や首回りの筋肉にかかる負荷は幾何級数的に増大していきます。海外の研究データによれば、首を15度前に傾けると約12kg、30度で約18kg、60度うつむいた状態ではなんと約27kgもの凄まじい負荷が、細い首の筋肉と頸椎にのしかかることが分かっています。ストレートネックになると、サスペンション機能が失われた状態で常にこの過酷な負荷を支え続けることになり、筋肉が悲鳴を上げてしまうのです。

肩こりだけじゃない!放置すると怖い全身への悪影響

ストレートネックの初期症状として最も多いのは、首の付け根から肩、背中にかけての強烈な張りや「肩こり」です。日本整形外科学会の啓発資料でも、不良姿勢が首や背中の緊張を引き起こし、肩こりの大きな原因になることが指摘されています。しかし、ストレートネックの恐ろしさは単なる筋肉のコリだけにとどまりません。首の筋肉(僧帽筋や胸鎖乳突筋など)が極度に緊張して硬くなると、その周辺を通っている重要な神経や血管が圧迫され、全身にさまざまな二次的被害(不定愁訴)をもたらすようになります。

  • 慢性的な緊張型頭痛や、後頭部から目の奥にかけての重い痛み
  • 首の神経圧迫による、腕や手のしびれ、握力の低下
  • 自律神経の乱れによる、めまい、吐き気、慢性的な疲労感や不眠

首の筋肉が緊張して頭部への血流が悪化すると、頭全体が締め付けられるような「緊張型頭痛」が頻発するようになります。また、頸椎を通る神経(神経根)が物理的に圧迫され始めると、首や肩だけでなく、腕から指先にかけてビリビリとした「しびれ」が生じたり、力が入らなくなったりする頚椎症(けいついしょう)へと進行するリスクが高まります。さらに見逃せないのが、首の周辺に密集している自律神経への悪影響です。ストレートネックによる慢性的な首のコリは自律神経の交感神経を刺激し続け、リラックスモードである副交感神経への切り替えを阻害します。その結果、原因不明のめまいや吐き気、夜眠れないといった深刻な自律神経失調症状を引き起こし、仕事や日常生活のパフォーマンスを著しく低下させてしまうのです。

今すぐできる!壁を使った簡単セルフチェック法

自分がストレートネック(スマホ首)になっているかどうかは、特別な医療器具を使わなくても、自宅やオフィスの「壁」さえあれば簡単に推測することができます。自分の姿勢は無意識のうちに崩れていることが多いため、まずは現在の自分の骨格の状態を客観的に把握することが、改善への第一歩となります。以下の手順で、壁に背中を向けて立ってみてください。

【セルフチェックの手順】
普段通りにリラックスした状態で、壁に背中を向けて直立します。このとき、「かかと」「お尻」「肩甲骨」の3点が壁にしっかりとくっつくように意識して立ってください。その姿勢をとったときに、あなたの「後頭部」は壁に自然に触れているでしょうか?
もし、後頭部が壁から離れてしまっている場合、あるいは、後頭部を壁にくっつけようとすると首や腰に強い違和感・痛みを感じたり、あごが不自然に上がってしまったりする場合は、重度のストレートネックに陥っている可能性が極めて高いと判断できます。健康な頸椎のカーブを保てている人であれば、無理なく自然に「かかと・お尻・肩甲骨・後頭部」の4点が壁にピタリとつくはずです。

ストレートネックを改善・予防する日常のセルフケア

スマホとPCの「正しい操作姿勢」を習慣化する

ストレートネックの根本的な原因は、日常の「不良姿勢」に他なりません。どれだけマッサージや整体に通って筋肉をほぐしても、日々のパソコンやスマートフォンの操作姿勢が間違っていれば、あっという間に元の状態に戻ってしまいます。厚生労働省が定める「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」等においても、VDT(情報機器)作業時の正しい姿勢の確保が強く推奨されています。首への負担を最小限に抑えるためには、環境そのものを調整することが不可欠です。

  • スマホは目の高さまで持ち上げ、下を向かずに操作するよう意識する
  • パソコンのディスプレイは、目線が水平よりわずかに下になる高さに調整する
  • 椅子に深く腰掛け、骨盤を立てて座り、足の裏全体をしっかりと床につける

スマートフォンを操作する際、多くの人は胸やお腹の高さで端末を持ち、首を大きく曲げてのぞき込む姿勢をとっています。これを防ぐためには、スマホを持つ方の脇に反対側の手を挟んで腕を支え、画面を「目の高さ」まで物理的に持ち上げる工夫が非常に有効です。これにより、首の角度を起こしたまま画面を見ることができます。また、デスクワーク時のパソコン環境も重要です。ノートパソコンを机に直置きすると必然的に目線が下がり、首が前に突き出てしまうため、ノートPCスタンドなどを活用して画面の高さを目線まで引き上げましょう。同時に、椅子には深く腰掛け、背もたれに背中を軽く預けながら骨盤を立てる「正しい座り方」をキープすることが、結果的に首の土台となる背骨全体のバランスを整え、ストレートネックの予防に直結します。

ガチガチの筋肉をほぐす!座ったままできる簡単ストレッチ

ストレートネックの改善には、前傾姿勢によって凝り固まってしまった首周りや胸の筋肉を緩め、正しい位置に骨格を戻しやすくするためのストレッチが欠かせません。長時間のデスクワーク中は、少なくとも1時間に1回は作業の手を止め、座ったままで構いませんので、首と肩甲骨を動かすストレッチを行うことを習慣づけてください。ここでは、オフィスでも周囲の目を気にせず手軽にできる、2つの効果的なストレッチをご紹介します。

  • 【あご引きストレッチ】突き出た首を正しい位置に戻す筋肉のトレーニング
  • 【胸開きストレッチ】巻き肩を解消し、肩甲骨を寄せて胸の筋肉を伸ばす
  • ※痛みを感じる手前で止め、呼吸を止めずにゆっくりと行うことがポイントです

1つ目の「あご引きストレッチ」は、前に突き出てしまった頭を正しい位置に戻すための運動です。背筋を伸ばして正面を向き、人差し指であごを押し込むようにして、頭全体を水平に後ろへスライドさせます(二重あごを作るようなイメージです)。そのまま3〜5秒間キープし、ゆっくりと戻

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